Diary 2007. 11
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11月22日 (木)  ひと山越えて

今日は高遠へ行きました。城址公園には意外なほどカエデが多く燃える様、冷たい北風に紅や黄色の葉を一枚一枚落としています。桜で有名ですが、ひとかげも無い今日の風情がここ本来の姿のように感じました。旧い石碑の文字を判読しながら1時間半、新雪の中央アルプスがきれい。
 街に下りれば仙丈岳が近い。すれ違う人がことごとく会釈をくれる。家を解体していた2人のおニイさんと視線が合ったら向こうからお辞儀をされた。さすが、「歴史と文化の町」。

 『高遠は山すそのまち古きまち行きかう子らの美しき町』(田山花袋)大正5年の歌ですが、高遠に行くたび「この歌は今も生きている」と感じます。

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11月19日 (月)  歌はこころをつなぐ

 ギターの音色と歌声が渦巻く談話室。スキーで、登山で、バイクでいつもおなじみの三浦さんが今回は高校時代からの歌仲間と共に来てくださいました。
 6人ともギターを弾いて歌います。曲によってはブルースハープ(ハーモニカ)も響いて、澄んで重厚なサウンド。70年代の歌が中心です。「進歩が無くて、」とご謙遜、その分完成度が高くて、誘われても私なんか入り込めません。ここでは常々「一緒に歌ったほうが勝ち!」ですが、この晩ばかりは聞き役とリクエスト係で大満足でした。
 そして今夜は初めてのお客さんが5人。昨夜の余韻でひとりこっそりギターを弾いていたら見つかって、「食堂で一緒にやりましょう」とのお言葉。「あのうたこのうた2686」で弾き語りとなりました。同世代の人もいればバスガイドさんもいて、思いがけず食堂で盛り上がってしまいました。

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11月16日 (金)  つま先に晩秋

 午前中お客さんが行ってきた道を、午後歩いてみました。ここに居ながらお客様のあとをなぞるのは何故かよくあることです。
 今日は昼を境に急に冷え込んで空もなまり色、数時間のうちに晩秋をとおり越して一気に初冬の空気です。多くの木は葉を落として路面は落ち葉におおわれたサイクリングロード。無論ひとかげも無く音も無く、ただ顔と手が冷たくて。ややもすると高尚な人になったような錯覚におちいりそう。でも、広葉樹が積もっている所では靴を引きずってかき分けたり蹴散らしたりして子どもみたいに楽しんでしまいます。今の子ども達も水たまりを見つけるとわざわざ入って叱られたりするのかなあ・・・
 あずまやの少し先、八ヶ岳からの樹林が尽きるあたりの今日の風景です。

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11月12日 (月)  まきストーブの季節です

 厨房のドアを開けて「イハシサーン」「はーい、なんですかー?」「パスチバ」。「・・・ぱすちば?・・・ぺすちば・・・ぱす千葉・・・ぺスティバ・・・」さて、何でしょう・・・

 冬(スキーをしました)の雪景色に続いて、紅葉に染まりに来たエドワードさんたちは、常夏のシンガポールから。細身でかしこいハスキー犬のネリーもひさしぶり!日曜日は朝から木曽の宿場めぐりをしました。
 おたがいに言葉はあやしいけれど、信頼があるから大体は通じます。談話室で話していたら、干支(ね、うし、とら、う・・・)は共通だったのに驚いた。うれしいね、アジアはひとつ。

 正解は「プラスティックバッグ」スーパーのビニール袋でした。

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11月9日 (金)  野菊の定義はあいまいで

 先日、『蓼科の歌碑めぐり』と言うのがあったそうです。
明治30年代、諏訪には島木赤彦が居てアララギ派の同人をはじめ多くの文人が蓼科、霧ケ峰に(何度も)訪れて短歌を詠みました。その辺の人間関係は『白き瓶(かめ)・小説 長塚節』(藤沢周平)に詳しい。
 中でも活発だったのが伊藤左千夫で、蓼科山を歌った「信濃には 八十の群山ありといえど 女(め)の神山の 蓼科われは」なんてビーナスラインの名付け親みたいなものです(不本意?)。彼は千葉の人で、かすかな親近感を覚えます。ときは秋、昨夜また『野菊の墓』を寝る前に読みました。あらためて胸が締めつけられるような思い出が・・・・・
 そこで今日、庭で野菊を探してみました。少し前までそこかしこにいっぱい咲いてたのに、北の隅の草やぶに少し残っているだけでした。この花を野菊といえるかどうかは判らない。季節は晩秋に向かっています。

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11月7日 (水)  佐久の最高峰

 御座山(おぐらやま)に登ってきました。千曲川を渡ってぶどう峠に向かう途中、右手にそびえる山です。山頂までの間、沢の音と落ち葉を踏む自分の足音のほかに聞こえたのは鹿の声だけでした。ビルより大きな花崗岩(白っぽくてきれい)が露出していたり木々に囲まれていたりして、全体的にさわやかな感じのきれいな山です。ここに限りませんが山に入ると「国宝級の庭園もこんな空気を表現したい、と頑張ってるんだろうな」と思ってしまう。谷を埋めていた雲が上の方に上がり始めて気が急くが、今日のテーマは『一定のペースで』。大した汗もかかずに2時間弱。だーれもいない山頂からの眺めは雲海に浮ぶアルプス、浅間、そして目の前の八ヶ岳(画像)を今朝は東側から望みます。「御座」と言ったらこの山は神様か天狗様が腰かける山?それを独り占めとはなんとぜいたくなことでしょう。思わず祠におさい銭を投げて感謝の合掌。

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11月6日 (火)  昔の物は長持ちだ

重宝している臼と杵。すぐ下の糸萱(いとかや)集落の(当時)おばちゃんが「よかったら使うかネ?、どうせ邪魔だで」と言ってくれました。ケヤキの大木を伐ったので臼をいっぱい作って村中の家に配られた物だそうです。「まだ新しいよ。30年くらい前の物だから。」のお言葉に「オレはいい世界に来たな・・・」と感じたことでした。
 それから20年余り活躍しています。
昨日(4日)はピープルファーストの皆さんが昼食用にもちつき(一部はまだ畑仕事中)。自分達で作った大根の雑煮、おろし、きな粉もち、あんころ餅・・・つきたては、うまいよ。

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11月6日 (火)  さかなの気分

 ごご歯医者さんに行った。グラグラしていた歯を今日は抜く予定(イヤだなあ)。まな板(診察台)にのけぞっているところに先生が来て「どうですか?」。「あ、だいぶしっかりしてきたんですけど・・」と精いっぱい抵抗した直後、視界の隅を麻酔注射の針が通過した。格闘のすえ根っこが取れて、釣り上げられた魚の気分。「!、ちょっと縫っておこうか」「!!」(私は幸いにも今日まで体を縫われたことが無かった)。歯ぐきを突き抜けた糸(意外に長い)を先生が「キュルルル!」と引っ張る。情けなく口を開けて「ああ・・オレ、また魚になってる!」

 土、日、月と続く秋晴れ。毎年この季節の日曜泊まり、三河の矢田さんグループはまずビーナスラインに向かいます。

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